90年代R&Bリバイバル、Rèignがいい

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ジャンルレスが叫ばれる中、ここまで90年代R&Bを再現するのは相当な覚悟がいるのではないかと不安になるくらいの完成度を見せつけたRèignが2019年6月にリリースした1枚目のアルバム『Ii, Say That.』。4人のハーモニーは言うまでもなく、懐かしの楽曲からのサンプリングでノスタルジックな気持ちに勝手になりながらも、随所に盛り込まれた、今の女の子の日常を劇場化した歌詞にも、心を掴まれた。歌詞自体はどうってことないのだけど、ライミングの言葉遊びが聴いていてくすぐられるし、心地よい。というか、Destiny’s Childしかり「男と女のラブ・ゲーム」的な歌詞ばかりなのはなぜ?でも聴いちゃう!なので歌詞の内容はくだらないっちゃくだらないし、新しい試みかと言われるとその要素はゼロに近い。でもメンバー個々のスキルの高さには頭が下がるし、粋なリズム感にも耳を掴まれている。

そういった90年代R&Bを真っ向から踏襲しつつも、近年のインターネット・ミーム(“Draggin’ It”のサビ《Eyebrows on fleek》)を引用したり、フェイスタイム、DM等々、あの頃はなかったものが歌詞に出てきて、現代と90年代を行ったり来たりで忙しい。

同アルバムのマスタリング完了後の視聴会の様子っぽいVlog。

Rèign(レイン)は4名のシンガー、Kae Olivia, Kenzie, D Lynnai, Miqāa ELで構成されるグループで、同アルバムはAllepac Recordsというニューヨークのインディー・レーベルからリリースされている。


2018年末にレーベル公式チャンネルに投稿されたVlogにはRèignがステージで踊って歌う様子も映されている。途中で彼女たちの楽曲でもサンプリングされているLil Mamaが登場するのだけど、どういう繋がりなのかは不明。


Hi-Fiveの“She's Playing Hard to Get”をサンプリングしたファースト・シングル“REASONS”を2018年8月4日にリリース、その後Lil Mamaの“Lip Gloss”をサンプリングした“Hard to Get”などをSoundcloudで公開し、今年の6月にファースト・アルバム『Ii, Say, That』をリリースした。レーベル名で調べてもFacebookページが出てくるくらいで(しかも近々の更新はない)、情報という情報がインターネットには今の所はない。ただYoutubeでのVlogは他のSNSに比べて情報があった。

余談だけど、日本でも流行ったポップ・アーティストのR&B(例えばBoAの2000年ぐらいの楽曲や安室奈美恵のCAN’T SLEEP, CAN’T EAT,I’M SICKあたり)を無性に聴きたくなった。

Jhené Aiko _ Trip

だいぶ前の話だけど、来日公演がキャンセルになってしまってガックリしていたJhené Aiko。

Migosもキャンセルになっちゃったし(これは何となくわかるけど)。ジェネイ自身も母親の故郷の一つ(ややこしいが、彼女の母親は日本・スペイン・ドミニカ、父親はアフリカンアメリカン・ネイティブアメリカン・ドイツ・ユダヤの血を引く)でのライブ楽しみにしてたんじゃないかなぁ。チケット7000円とかで、「高!...働くか」って感じだったの覚えてる。彼女が言う自分の名前「アイコ」が外人発音じゃなくて、ちゃんとうちらが言う「アイコ」の発音だった(昔は外人アクセントだったけど、日本人の友達に教えられて、日本語アクセントで言うようにしたらしい)

ジェネイを聞き始めたのは、たぶんDrakeの2013年アルバム「Nothing Was the Same」内の「From Time」がきっかけ。このDrakeのアルバムが大好きで2013年よくこのアルバム聞いてた記憶があるわ。でもそっからあんまり聞いてなかった(2014年の「Souled out」はピンときてなかった)。

去年リリースされた二枚目のアルバム「Trip」。これには度ハマリ!最近も思い出したようにリピ。自分がタイのチェンマイに去年(2017)の末仕事で行ってたんですが、その時鬼リピしてたのも、このアルバム。チェンマイの豊満な自然と、このアルバムの暗さやサイケデリックさが、夜のクラブのトリッピーさ、秋みたいな気候のチェンマイの朝の清々しさが非常にマッチして、朝ホテルの屋上で1人、前の日に飲み残したビールを飲みながら聞いてた。

2018年5月3日にロサンゼルスで行われたVH1's 3rd Annual Dear Mamaというイベントで「Trip」内で実の娘:ナミコ・ラブとデュエットしている「Sing to me」をパフォーマンスしたんです。それがまた最高にくすぐられる物だった。

ジェネイがWest Los Angeles Collegeでボーカルの授業を取っていた20歳の時、オマリオンの弟・O'Ryanとの間でできた子供が、ナミコ・ラブ(2008年生まれ)なんですね。結婚はせず、シングルマザーとしてナミコちゃんを育てます。その後、Kid Cudiの「Day 'n' Nite」もプロデュースしているDot Da Geniusと非公開で2015年に挙式を上げますが、2017年に離婚。「ジェネイの浮気では?」とも言われてて、というのもステージ上で現彼氏のBig Seanとキスしてたのが、離婚前ではないかと言われていて。でもジェネイ自身、浮気は否定しています。ひっじょーに恋多き女性と見た。2年以上関係が続いたことはないそうな(自分も人の事いえない)

そんな彼女が母性という愛を歌った曲だと勝手に解釈してる曲が「Sing to me」。「Trip」というアルバムは実の兄弟・Miyagi(宮城?)が2012年に癌で亡くなってしまった、その悲しみに向き合ったアルバム。なので全22曲ある中で、ダウナーな曲が多くあって、その中でも非常に希望を持てるサウンドがこの曲。ナミコちゃんの「Wake up mommy」(ママ、起きて)という言葉から始まるこの曲は、ジェネイの悲しみの出口を見いだす。ナミコちゃんとジェネイの掛け合いが多くあって、「Sing to me, sing to me mommy (歌って、ママ)」「Sing to me, sing to me Nami (ナミコ、歌って)」「I love you」とお互いに優しく語りかけ合う。「昔ナミコは私のお腹の中にいたの、覚えてる?」「私はナミコのママでいれてよかった」などと涙腺つつかれる歌詞ぅぅ。「You are my world, my favorite girl」(あなたは私の全て、大好きな人)とお互いに歌い合うんですね、関係が長く続かないジェネイにとって、娘という存在は永遠の存在で、ナミコちゃんにとってもママはジェネイだけ。そんな単純な関係が世界で一番純粋な愛だわ、と母親に電話したくなる。

この曲の次にある「Frequency」は、そんな悲しみの出口へと娘に手を引かれて前に進んで行くジェネイの前向きさから生まれた、自分だけでなく、社会に対するさまざまな呪縛からの解放を祈る曲。ってのは買い被りすぎかもしれんくて、単純にDotとの離婚早く終わらせたいわ〜ってのかも「Free my city, free my seed/Bless my situation, give me freedom/Bless the generation, give them mercy. (この街を解放して、私の家族(生まれて来る子孫?)を解放して(もしくは私の悩みの種?わからん)、この状況を祝福して、自由をちょうだい、この世代に祝福を、彼らに幸運を)

いつか生でジェネイの声聞いてみたいなあ。